「目をつむれなかったんですね」 

久しぶりに「情熱大陸」見ました。
今回の主役は、アフリカはスーダンで医師として働いている日本人男性。
元々は外務省医務官としてスーダンに派遣された身分であった彼は、その肩書きが
ある以上、綿密な医療行為ができないと痛感し、とった行動は医務官辞職。

「目をつむればそれはそれで済まされてたんでしょうけど、目をつむれなかったんですね」と、
笑顔で語る言葉は澄みきっていた。
年収下落はもちろんのこと、国政不安定な環境にあって身の危険とも隣り合わせ。
それでも彼は、医療不足に苦しむ過疎地で部族と同居することができている。

政府でさえその部族との宗教的相違のために恐れ、多くのスーダン人医師が現地出向を拒む
にも関わらず、彼は首長に「彼は我々の仲間だ」と言わしめるほどの大きな存在になっている。
日本人というハンディもあるだろうに・・・
「一緒に食することもいいんじゃないんですか」と言って、手でご飯を食べている彼。
「イスラム教徒じゃないですよ。日本人です。日本人です」と笑いながら、儀式に参列している彼。
本当に信用された者にしか触れさせないほど厳戒的な部族が、彼には全幅の信頼を
置いている所以はここにあるのだろう。
政府から派遣された地元医師より、よっぽど頼りにされている姿は凄まじく格好が良い。

とある時。事件が起きた。
宗教的相違からトラブルが起きた。部族VS政府。そして部族は、医療に欠かせない配水管を
切断した。
「子供がやったんだ」と責任逃れする大人たちに、「あなたたちが子供を教育しなければならない」と
真っ先に言う。「直して欲しい」と実直に。配水管の貢献度を知っているだけに素直に
「分かった」と言う大人たち。
しかし政府側はと言えば、「危険が伴っている。私たちは村には行きたくありません。それが
私たちの意見です」と。ここで彼は説得などもってのほか、黙々と彼らの思いに耳を傾けていた。

「“その時、その場が治まれば良い”では嫌なんですよ」
「いろんな意見が出てくることが大事であって、今日は良い話し合いができたと思いますよ」
その場凌ぎの対応などではなく、ひとつの国として自立した医療が構築されることが彼の思い。
「何かやれば」と力強く訴える彼の表情は希望に満ちていた。
決して自分ひとりで達成させようなんて大それたことは考えていない。
「自分がやることで何かにつながれば」という言葉から、
1日1日の生産的活動の積み上げこそが発展をもたらすことを窺い知ることができた。

今日を頑張れない人は一生頑張れない。
今日を頑張れる人には「明日」がプレゼントされる。

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